10月13日に関する記述

 ビジネスホテルの朝食は地下一階の寂れた喫茶店であった。だが、そんなことはどうでもよい。
我々はこれから旭山動物園に行くのだ。
 各種報道によれば、この動物園は上野恩賜公園動物園を抜き、全国ナンバーワンの入場者数を
誇るという。
 当然、横浜の野毛山動物園はもとより、あのズーラシアをも凌いでいるのである。ここに行き、
その凄さを体験することは、今回の旅行の大きな目的の一つなのである。回転寿司よりもはるか
上位に位置づけられるくらいの大目的なのだ!

 市街地を抜け、動物園へ。気が急いていたため、9:30の開園20分前に到着してしまった。
入場門前にあった看板には凶悪そうなイワトビペンギンやハンペンのようなアザラシの絵が。

 さて、ますは「あざらし館」に向かう。ここでは直径1.5mのアクリル円柱を縦に設置し、
その上下端が大水槽に繋がっている。これによって、円柱内を行き来するアザラシを子細に観察
できるのだ。う〜んラブリー!時間の経つのも忘れてしまうほど愉快だ。

 続いて「ほっきょくぐま館」。こちらもガラス越しに大水槽の水面下を観察できるようになって
いる。ホッキョクグマの泳ぐ様子なんて初めて見たな。

 その後、陸上主体の動物類や鳥類などを巡り「ぺんぎん館」へ。ここも陸上、水面、水中と様々
な角度から観察できるのである。茶色い体毛に覆われたジェンツーペンギンのヒナが可愛い。

 旭山動物園では、「形態展示」ではなく「行動展示」を行っている。これはズーラシアにも通じる
考え方であるのだが、ズーラシアよりも旭山の方が、動物との距離が近い。また、ズーラシアはいか
にも最近の施設であり、全てがピカピカなのだが、旭山には「古き良き動物園」の残滓がある。
 スーラシアは「はえぬきのエリート」なのだが、旭山は「叩き上げの古参」といった感じ。
 我々が昼食を摂った食堂兼土産店なんかがそのよい例で、かつての野毛山動物園にもこうした店舗
があったことを思い出す。

 9:30に入園して、出たのは16:00くらい。それだけ歩き回っても飽きない、どころか、
もっと居たいと思わせるナイスな動物園であります。