唐突にキャンプ

 食品表示について考えているのだが、考えているようで考えていない状態に陥ってしまった。
悶々とした頭のまま会社から戻り、そのまま寝る生活が続いていたため、ここいらへんで一丁、
頭をリフレッシュしなくてはならない。

 そこで遠くに出かけることにした。
 どこに行けば良いのか?妻と話し、「キャンプをしよう」となったが、何の準備もして
いない。

 私が以前バイクに乗っていた頃、良く行ったのが長野県川上村の「廻目平キャンプ場」だった。
中央道を勝沼ICで降り、北上して「川上牧丘林道」に入る。砂が主体のダートを上りつめると
標高2360mの大弛峠に至る。
 ここは山梨県と長野県の県境であり、少し歩くだけで標高2591mの国師ガ岳に登れる。

 峠から長野県側はガラガラした石主体のダートとなり、麓に至る。ここに川上村営の「廻目平
キャンプ場」があるのだ。
 宿舎もあればバンガローもあり、フロもシャワーもある至れり尽くせりのキャンプ場なのだが、
さりとて管理されすぎていることも無い。今では「直火=焚き火」禁止のキャンプ場も多いよう
だけど、ここではどこでも火が焚ける。

 そんな訳で「廻目平キャンプ場」に行くか、と決め、準備を始める。が、この時点ですでに
お昼なのである。ホントはもっと早く準備しなくちゃいかんのだが、なにしろ突発的に行くこと
にしたもんで。

 とりあえずテント・寝袋を出し、セットコンロ・鍋や食器・ミソなどをボックスにまとめる。
「焚き火をする」という大きな目的があるので、赤錆た「ナタ」も積む。ガスランタンを引っ張り
出すが、当然のようにマントル(電球だとフィラメントに当たる部分。脆く壊れやすい)は崩れて
いる。が、ケースの下にスペアを二つ発見。意外とやるなあ、以前の俺。

 で、どかどかと荷物を車に積んでいると、やはり思うのは積載量の多さだ。以前バイクで行ってた
時は、テント代わりにツェルト(簡易テントのようなもの。劇的に小さく軽いが設営に手間かかる)、
寝袋代わりにシュラフライナー(寝袋の保温性をUPさせるためのインナー)のみ、鍋も大小個、
といった感じで装備を切りつめていたんだけど、自動車となると、そういうシビアな選択が全く不要
なんだな。

 てな訳で横浜を出発した我々は、即座に国道16号の渋滞につかまった。プランでは、上記のよう
な大弛峠超えで「廻目平キャンプ場」に向かおうとしたが、これでは日のある内に着くことは不可能
だろう。更に、「人間GPS」と異名をとる友達に電話で確認したところ、林道が通行可能であるか
否かも疑わしい。天気も悪くなってきた。

 このような事を考え、行く先を変更することにした。当初は奥多摩に行こう!としたが、私は奥多摩
のキャンプ場は不案内だ。で、何度と無く行っており、土地勘もある奥秩父浦山口はどうかと妻
に打診したところ、彼女もそこが良いと言う。なんでも昔、家族と良く行ってたんだって。

 国道16号から圏央道、県道30号、国道299号を辿って奥秩父へ。飯能を越えるあたりから、
ようやく田舎の風情が感じられる。紅葉はまだ始まって日が浅い感じだが、そこそこ綺麗だ。

 えーさて、浦山口に到着。まずは「橋立川キャンプ場」に向かうが既に休業期間に入ってる。が、
もう一つの「浦山口キャンプ場」はまだ営業中だったので、こちらに決定。バンガロー利用客は4グル
ープほど居るそうだが、テント泊はいないそう。もう肌寒いもんね。

 もう日暮れだ。早く寝る場所を確保せねばならない。とりあえず木立の中に幕営地を決め、テント
設営。その後、食材を買いに地元のスーパー「やおよし」に向かう。
 本日の料理は「キムチ鍋」、明朝は「スパゲティ」とする。どちらも料理が簡単であり、また少ない
鍋・食器を効率的に利用できる。
 酒は地元の「武甲」を一升。

 キャンプ場管理人さんから薪を買い、テン場へ。料理そのものはカセットコンロで行うのだが、やはり
どうしても焚き火がしたいんで。

 妻が炊事場で野菜を切ってる間に、薪を割る。といっても、ここの薪はすでに3〜4cm角に
なっているので、ほんの少し、焚きつけ用の細かいものを作るだけだ。赤錆たナタでも結構行けます。
 更に、地面を少しだけ掘って、そのまわりに石を積んでかまどを作る。小規模な焚き火をする時には
いつもこうするのだが、俺は一体誰に、いつ、このやりかたを教わったんだろう?

 ランタンを灯して妻とキムチ鍋を食う。こんなキャンプをするのも久しぶりだ。

 焚き火…は、ある種、その人の技術の見せ場だったりする。焚き火技術に秀でた人は、大雨の中でも、
生木であってもうまく着火させるという。私にはそんな達人級の技術はないが、今夜のような、「微風・
低湿度・よく乾燥された薪」という好条件が重なれば、まあフツウに焚き火を管理できる。
 問題は、「太い薪がない」ゆえに「じゃんじゃん燃やすとすぐ薪が無くなる」ことくらいか。

 そんなこんなで、火を眺めつつボソボソ話をしつつ、「武甲」を飲みつつ夜は更けた。と。

※(ダラダラ書きすぎて疲れたので、ここで終わり。)