キャンプ続き

 ボンヤリしたまま起きだし、鍋を洗いに炊事場に行く。
バンガローに泊まっていた若者のグループの一人が、同じく炊事場で洗い物をしている。
 昨夜、彼等はギターやタンバリンを鳴らしての大宴会をしていた。
「こっちに遊びにきたら楽しいのにな〜」などと思っていたのだが、来ませんでした。

 なぜかキャンプでは、このように「一人だけ起きだして後片づけをする人間」を見かける。
頼まれた訳でもないだろうに、もう勝手に後片づけとか朝食の準備とかをせっせとはじめてしまう。
その本人も前夜の酒が残る、眠そうな顔をしているんだけど。
 人間が集団を作ると、かならず、このタイプの人が見受けられるんだよな。不思議なことに。

 朝食はスパゲティ。鍋で麺を茹でて、別鍋で暖めておいたレトルトソースをかける。食器が乏しい
のでお椀と箸を利用する。

 昨夜の焚火跡を見ると、ほぼ完全に燃焼しきった灰だけが残っている。そのかたわらの一升瓶は
空だ。二人で一升飲み尽くしたらしい。でも気分は悪くない。これが野外で酒飲んだ時の不思議な
効果だよな。悪酔いも二日酔いもしないという。

 素早くテントその他を撤収し、キャンプ場を出る。

 妻がかつて家族で来ていたというキャンプ場、「清流キャンプ場」を覗く。ここは駐車場から
延々徒歩で下った谷間にあるため、今は流行らなそう。
 爽快感ゼロのじめじめした雰囲気は、昔ながらの日本のキャンプ場特有の味わいです。

 自動車で大滝村方面へ。遙か以前に、村営の温泉施設に入ったことがあったので、まあそこで
一風呂浴びてすっきりしようと。

 大滝方面に向かうにつれて紅葉している木が増え、色も鮮やかに感じられる。

 温泉施設の利用料は、村民400円でそれ以外は600円だ。こういう料金設定は全国で見るけど、
なんというか、あんま賛成できない。
 「たまに来るだけの観光客からは200円余計に取ってやれ」といった判断なんでしょうかね?
 
 施設に置いてあったチラシによると、本日は「紅葉まつり」の開催日だそうだ。そして、歌謡ショーの
ゲストには…

島倉千代子まきのめぐみ・ほか1名」

とある!

なんということだろうか。以前、テレビの前の我々を笑死させかけた前科(というほどのことでもないが)
を持つこの御両名の名を、こんな所で目にしようとは!
 http://d.hatena.ne.jp/suwataku/20050501


 見たい。非常に見たい。あわよくば「ちよこまち」のバックダンサーも含めて見たい。

 そんなわけで「紅葉祭り」会場に入ったのだが、残念なことに歌謡ショーは14時からであった。
そんな時間までここにいたら、帰りは渋滞にはまってしまうであろう。イワナ塩焼きとシイタケ焼き
を食べ、断腸の思いで会場を後にした我々であった。

 帰路、西武秩父駅前でソバを食べる。夏の観光シーズンが過ぎ、紅葉もまだ盛りではないこの時期、
駅前は寂れた雰囲気。BGMの童謡もうらぶれ感を増していた。次にこの駅前が大にぎわいとなるのは、
秩父夜祭りの頃でしょう。

 ※写真は「清流キャンプ場」で撮ったコケ。なぜかSFを感じたので。