たろう

妻実家にゆく。
雄猫たろうは年齢14歳であり、もう老年期と言える。


そんな彼はここのところ調子が悪く、目に見えて体力が衰えていた。
なにかと忙しかったのでなかなか顔を見に行くことも出来なかったんだけど、
妻からその衰弱ぶりを聞いていて、気になっていた。


実家に付いてドアを入ると、たろうが駆けてきた。ちょっと前にはこうした行動も
ままならなかったそうなので、若干は回復しているのだろうけど、以前の姿から
比べると二回り以上も小さくなっている。前は体重6kgくらいの大猫だったが、
今は3kgを切っているように感じる。


毛も密度が減って、歩みも不自由そうに見える。また、顔の左半分が腫れており、
痛々しい。


私が安楽椅子に座って足を伸ばすと、必死に上に乗ってくる。ただ上半身は乗り上げられる
が、下半身が付いてこないので、補助を加える必要がある。上に乗ると丸くなって眠る。
以前は私に対してこんな行動を取ることはなかったのに。体が衰えて心細くなったのか。
背中をなでると、体重の減少とともに、高く浮き出た背骨が感じられる。


生物が年を経て衰え、やがて亡くなることは、頭で分かっていてもやはりとても悲しいのだ。
たろうは堂々たる体躯、私に媚びない態度、雄大と言ってもいいくらいの大雄猫だった。



いずれご先祖様の一員に列せられ、陰にひなたに今を生きる猫たち(ナナ・ハナ)と私たち
を守護することになるのだろう。※このフレーズは「おれカネ先生」に倣わせていただいた。



たろう・腫れていない方の顔



たろう・10月時点



たろう・デスクトップから私の仕事を監視する