朝、榛名を出て関越水上IC経由で水上。
午後、ラフティング。

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■『ざるめし』について

みなかみの中心部から湯檜曽を経て、最奥のならまた湖付近に宿があるのだが、そこに向う道中で、こんな看板を発見。

寄ってみると…

『落人料理ざるめし』とある。ざるそばなら知ってるけど、ざるめしって何?しかも『落人料理』だという。落人というからにはそんんな豪勢な料理ではないだろう。私とカミサンが想像したのは、ザルに冷飯や芋の尻尾、魚の骨や出がらしの茶葉なんかが混ざった、要は残飯みたいなもの。もしくは、有名な『残飯おせち』みたいなものか。

ガソリンスタンドのおばさんに『ざるめしってなんですか?』と聞くと、『ザルにごはんとか魚とかいろいろ載せた料理。でも、あのホテルはもう廃業したよ』との返事。ということは実物を見るのは不可能ってことだ。なんとなく残念。
別の看板を見てみると…

『日本唯一』とあった。ここの『ざるめし』亡き後、日本にはもう『ざるめし』は存在しないのだ!

看板の裏手には草深い(そうでもないか)道がある。

この先が、その廃業したホテルなのだ。行ってみる。

夜逃げでもしたのか、いろいろ片付いてない状態のまま放置されている。のれんもかかったまんま。

そして『ざるめし』よりイメージしにくい『ボタ』という料理の表示も。

扉が施錠されていなかったので、ちょっとだけ中を見る。本当は不法侵入になるので躊躇したのだが、『ざるめし』『ボタ』がなんなのか知りたい、という欲求に負けた。

什器類もそのまんま。片方白目のままのダルマが悲しい。

で、店の奥に張ってあった図が以下である。これが『ざるめし』ですね。想像していた残飯とは異なり、けっこう豪勢だ。

盛る食材は、コゴミ、ミョウガ、ヤマブキ、ワラビなどの山菜が沢山と、塩焼きのマスとのこと。無臭ニンニクものってるが、落人の時代にはそんなもん無かったんじゃないかな。


で、『ボタ』は五平餅っぽいものに山椒味噌を塗って焼いたものらしい。いたって普通だ。

室内に残っていたカレンダーは2007年9月のままだったので、おそらくはこの時期に廃業したんだろう。落人料理を出していた宿が、正に落人のように夜逃げしていったのかと思うと無常な感じ。