連休中は、旧宅の片付けを行った。
必要な家財は新居に運び、不要の物は分解して廃棄物業者の8㎥コンテナに入れるのだが、
一人作業だったのでやたらと時間がかかった。
こうして旧宅は空になった(家主の大量の残置物を除いて)。


外観。茶色い部分は木目プリントのトタン板。


2階居室。8畳×2間と広いが、すべてのサッシに隙間があり埃っぽい。


1階居間。各所に隙間があり、いくらストーブを焚いても寒かった。


台所。サッシ隙間からカメムシが侵入する辛い場所であった。


1階四畳半。湿気がひどく、すべてのものがカビた。


1階8畳。畳を外し、腐った根太を補強しフローリングを貼ったが、暗く湿った部屋であった。


風呂。昨年に灯油風呂釜が故障し、のちガス釜が付いたが、冬場は非常に寒く、出入り時が
辛かった。また、風呂桶が狭いため体も伸ばせなかった。


便所。素通しの汲み取り式だったが、簡易水洗化を(私と知人の2名で)行った。
便槽に入っての作業は決死隊並みの勇気が必要だった。


1階作業場。ここも、あらゆるものがカビる湿気地帯であった。猟銃の銃床など木質部分に
カビが生えた時は驚いた。


…このように、旧宅は「家としての基本性能」が極めて低かった。カメムシに加えムカデやヘビ、
ネズミといった生物の侵入、チリやホコリの侵入、掃除のしにくさ、貧弱な防寒性能の割に、夏は
異常に暑くなる2階の居室などなど。
 サッシなど各所に手を入れたが、そもそもの構造として垂直水平が出ていないので、修整にも
限界があった。修整しきれない場所はコーキング剤を多用してごまかした。

 家の性能が悪いと、掃除・洗濯・料理その他の家事全般が億劫になるし、就寝も朝の寝覚めも
スッキリしない。本を読むのも大儀だ。要するに家の中が楽しくない。

 出かける時など、車の窓から遠ざかる家を見るたびに、「あんな家に猫たちを残して出かけて
申し訳ない」と、罪悪感を覚えることが多かった。

 しかし今、猫たちは新居で快適に暮らしている。設計士さんが腐心した猫用階段で上下移動を
楽しんでいるし、3層ガラスのサッシから射す太陽光線を存分に浴びているので、罪悪感は皆無だ。


 チャーリーの命が、この快適な新居に引っ越す前に尽きたことだけが残念だ。