本を貰った。はるか以前に実家にあったものの新書版だ。

明治生まれの大工や指物師左官といった職人衆のインタビュー集なのだが、
インタビュー自体が昭和30年代に行われたものなので、多分みんな死んでるだろう。

まず、各章が10ページ程度と短いのがいい。質問者のコメントはすべて割愛し、内容も
精査して編集しているんだろう。風呂に入りながら読む(私はこの悪癖が治らない)のに最適。

職人衆の江戸言葉も良い。落語の江戸言葉や「江戸っ子気取りの俗物(そういうのがホントにいる
のです。人形町の立ち飲み屋にいて、一人称が“俺っち”だった。)」の言葉は、今現在使われて
いないものを無理矢理蘇生させているようで今一現実感が無い。
その点、この本に出てくる言葉、言い回しは、話している職人衆が普段からごく自然に使って
いたものなので違和感まったくない。

続編もあるようなのでそのうち読もう。