でもって

 吉村昭の『関東大震災』を読む。

 吉村昭の著作は、初期の『星への旅』から一貫して感情表現を排したドライな筆致で、
非常に私の好みに合う。
 淡々と事実を記述し、その積み重ねによって作品全体に無常観を漂わせるというのは、
なかなか出来る技じゃない、というか、この人以外に出来る人っているのかな。

 ふと思ったのは、この吉村昭的な手法って、なんとなく谷甲州の航空宇宙軍史シリーズ
に似てないかな。似てないな。すいません。あ、でも林譲治の作風とは似てるかも。
 しかしまあ、林譲治の場合は感情表現が大して上手くない、というかあからさまに下手
なので、期せずして吉村昭的になってしまっている、と思います。
 勝手な事を言ってすいません。