ススキノ彷徨と豊平区平岸の「いそ吉」

 札幌の宿は予約してなかった。大都市だし、安く泊まれるホテルも多かろうと。
が!安価だろうと踏んでいた連れ込みホテルはどこも高い。納得ゆかずにビジネスホテルを当たると、
「二名一泊1万円・しかもデラックスツイン」という物件が。先程の連れ込み宿が「1万8千円」で
あったことを鑑みると、大変にお得だ。そこに投宿し、荷物を置いていそいそと町に出かける。

 目的地は豊平区平岸3条の居酒屋「旬菜台所・いそ吉」だ。ここは、かつて積丹町の「ふじ寿司」の
板前であり、その前後にも各地の板場を渡り歩いてきた流れ板であり、積丹でのシーカヤッカー仲間
でもある船橋さんが晴れてオープンした自分のお店なのだ。
 扉を開けて店内へ。船橋さんが「いらっしゃーい!」と威勢よく挨拶する。今回、ここに来ることは
事前にお伝えしていなかった。私のツラを見て船橋さんが「あれ〜!」と言う。西村さんに渡したのと
同じ泡盛一升瓶を渡し、席に着く。四方山話をしつつ酒を注文。

 「料理は適当に見つくろって作ろうか?」
 「お願いしま〜す!」
 「任せてください!」

…と、このような感じで大いに飲み食いしたわけです。「ハッカクの刺身」や「マグロステーキ」、
「タラ白子の炙り焼き」など、どれも小技がきいていて美味しい。飲み過ぎて記憶はもう定かではない。
どうやらタクシーで宿に帰ったらしい。僕は久しく会ってなく、情報も途絶えていた船橋さんと会えた
こと、船橋さんが多くの人に愛されるよい店をやっていることをつぶさに見られ、非常に嬉しかった。