とても久しぶりに上野動物園にゆく。
 我々二人組は新婚旅行で旭山動物園に行ったり、ときどきズーラシア
野毛山動物園に行ったりと、けっこう動物園が好きなのだ。


 でもって最近「動物園にできること」という本を読み、上野動物園
展示も徐々に様変わりしているということを知ったので、
それを見に行こうと思ったのだ。

動物園にできること (文春文庫)

動物園にできること (文春文庫)

 土曜日の上野はそこそこ人手も多い。京成線の階段から動物園を目指して
歩いてゆくと、野良猫を何匹か見かける。どれもよく肥えており、食糧事情の
良さが伺える。


 さて、私が上野動物園の、どの動物の展示を最も見たかったのかというと、
カワウソである。旭山のあざらし館をヒントに、極めて動的な展示が工夫されて
いる、と前掲書にはあったのだが、図版とかがなかったので、実際に見てみないと
どう「動的」なのかイマイチ把握できなかったんですね。


 で、カワウソ舎についてみると一目瞭然でした。放飼場(オリ)から透明アクリル
パイプがのびており、それが同じくアクリル製の透明キューブに接続されている。
そして内部は水で満たされている。
 これによって、カワウソは放飼場とキューブを自由に行き来できるんですな。


 これは非常に楽しい。我々は給餌の時間も見たのだが、2頭いるカワウソそれぞれの
個性も伺える。♀の「みーちゃん」はキューブ内の台で魚を食べることが多く、♂の
「まーくん」は魚を得るとパイプを通って放飼場に戻り、食べる。


 これまでは非常に地味で、(おそらくは)大して人気のない展示であっただろうカワウソ
が、このような工夫によって「お客さんがぶり寄り」の展示になるんですな。


 動物園を堪能した二人組は上野の立ち食いステーキ屋で食事をとり、一杯飲もうとして
上野駅構内のサラダバーみたいな店に入ったらそこがひどく不味い店で憤慨し、銀座に
行って一杯飲み直し、あろうことかカラオケに行って帰宅したのでした。