夜にNHKアーカイブスを見た。今回一本目の内容は…

ドキュメントにっぽん「小さな詩人たち〜北上山地 20人の教室〜(1999年放送)」であった。
以下に番組紹介文を引用。

岩手県北上山地の山あいに児童数20人の奥州市立(旧江刺市立)木細工小学校があります。この学校では1年生から6年生まで全員が図書室に集まって作文を書く授業を行っています。農作業の手伝い、学校の出来事、家族との団らんなど身の回りに起きたエピソード全てが作文の題材になります。宮沢賢治の童話「風の又三郎」の舞台にもなったといわれる自然豊かな小学校。子どもたちはここでどのような言葉をつづるのでしょうか?

見ての感想は…

・子供達の作文が妙に達者。冒頭部をセリフで始めてみたりとか、体言止めを使ってみたりとか。
 それ自体は悪いことじゃないのかも知れないけど、不自然に器用なんだよな。

・作文を指導する先生の、尋問調のテクニックが不気味。

・情感たっぷりのナレーション
 →(例)「宮沢賢治が“風の又三郎”に描いた自然が、今も変わらずに残っています」
   なぜ、そう言い切れるんだろう?聞き流してしまえばどうでもいいナレーションだけど、
   なんか引っかかる。それはこのナレーションがあまりにも無内容なものだからだろう。

・一貫して「大家族万歳、働く子供万歳、お年寄り万歳」な姿勢に強烈な違和感。


そして、もっとも気色悪く感じたのは、子供達が作文を読み上げる際の、その読み方。
いわゆる、「子供らしく元気に、更に感情を込めて」という読み方の見本みたいなもんなんだけど、
ああいう読み方は、今現在でも「良い」と評価されているんだろうか?
もっと小声でボソボソ読んで
もいいんではないか?この、子供達の読み上げは番組の核とも言える部分なのだが、とにかく不愉快
だった。



…全編を通して、「大人の期待に全力で応える子供達」の姿が痛々しい番組でした。
で、この「子供達への期待の押しつけ」は、周囲の大人達(特に作文指導に当たる教師)が
行ってる訳なのだが、彼等はこの押しつけを「押しつけがましくない、適切な指導」もしくは
「善意」と信じ込んでいる節がある。そして、番組制作者もこれに乗っかりっぱなし。気味悪い。


単に「俺の好みの番組じゃない」といえばそれだけなのだが。