大原一三さん

1996年当時の農水大臣だった大原一三さん。
名前の読み、「いちぞう」は、むかし西巣鴨の実家で飼っていた猫(一蔵)と同じである。
で、大原氏は2年間に亡くなっているのだが、公式サイトがまだ残ってる。よく見ると「活動報告」の中に「ごあいさつ」があり、そこに逝去の知らせもあるのだが、通常のコンテンツに埋もれているので、一見すると逝去後もサイトが放置されているような雰囲気がある。

http://www.ohara13.com/

その中の「時事評論(コラム) 」がなんとも言えない味わい。

●ひとりごと ― ますますバカになる日本人
フランス帰りの画家が、日本に帰るたびに、日本人はバカになっていくような気がすると言っている新聞記事を見たことがある。
しょっ中日本にいるわしだって、いつもそんな風に思っているよ。近頃は、日ごとにそのテンポが早くなっているような気がするな。小学生が平気で人殺しをやるような国だもんな。一体どういう神経なんだろね。テレビやマンガの見すぎじゃないのかね。

といった感じで、特にテレビに対する苦言が多いんだけど、苦言を呈しつつも、ついついテレビを見てしまうヒマな隠居老人のぼやき感が素晴らしい(皮肉ではなく、本当にすばらしい)。

以下、印象的なフレーズを適当に抜粋

「ああおそろしやおそろしやおそろしや。一体この国どこへ行く。」

※三回も「おそろしや」!

「いやー、驚いたな。プロ野球がストをやるんだって。」

※床屋での会話!

「いまの日本人騒々しいのが好きだな。老よりはつき合えんよ。」

※「老より」という表記が素敵!

「私の孫娘結(ゆい)は、いま小学校五年生だが、どうしてこんなに可愛いいのか、私にもわからない。」

※素直!

「本当にいまの日本の自堕落ぶりを見て、この国はどこへつんのめっていくのか、心配でしょうがないよ。
もっともわしは、そこまで生きてはおらんがね。」

※ぼやきから諦念へ!

南無阿弥陀仏

「時事評論(コラム) 」には、もっと硬派な話題もありますし、大原さん自体傑出した人物なんだけど、意図的にこんなのばかり抜粋してみました。