ごんぎつねとライフル

小学4年生か3年生の頃、授業で新美南吉の「ごんぎつね」を班ごとに演じる、という課題がありました。
先生の意図がどこにあったのかは良く分からないのだが、多分、誤解からゴンを射殺してしまった平十の悔悟の念を追体験させたかったんじゃないかな。で、同時に小学生なりに演出を工夫させてみよう!といったところだろう。

しかし、我々はあさはかな小学生男子だったので、そのへんの先生の意図を斟酌することは当然できず、ただ機械的に「ごんぎつね」の筋を追うような中途半端な朗読劇を行ったように思う。


「ごんぎつね」のハイライトは、平十がゴンを射殺してしまう場面だろう。読者は「あ!平十!いけない!ゴンを撃ってはいけない!」と思うのだが、何も知らない平十は親の敵とばかりに(実際、ゴンは間接的だが親の敵なのだ)引き金を引く。

 このハイライトシーンを演じるに当たって、班員M君が用意してくれた小道具が以下の銃だ。

 有名なM16A1である。スティーブン・ハンターの「狩のとき」では、主人公ボブに「プードル撃ちライフル」と馬鹿にされていたライフルだが、狐一匹を撃つには強力すぎる兵器だ。先生には「小道具に凝りすぎで、肝心のゴンや平十の心情を全く考えていない」といった主旨の酷評を受けた気がする。そんなこと言われても馬鹿な小学生に何を期待してるんだか。

 「ごんぎつね」は江戸時代終盤から明治時代初期の農村が舞台だったようで、平十の銃は以下のようなものだったと考えられている。


(しまった平十じゃなくて兵十だった)

 で、ウチの班以外にも、小道具として変な銃を持ち出した奴等がいた。どの班の誰だったのかは、もう記憶に残っていないのだが、銃は以下のものであった。

 これも有名なM1873ウィンチェスターカービンである。たしか「ターミネーター2」の最初のあたりで、シュワルツェネッガーが使っていたように思う。で、シュワルツェネッガーといえばオーストリアの田舎町グラーツ出身なのだ。これに関してウチの父がオーストリア人に質問したことがあったそうで、そのやり取りは以下のような感じだったという。

父 :「シュワルツェネッガーという俳優はオーストリア出身だそうですね?」
相手:「残念ながら、その通りだ」

 なるほど一部のオーストリア人にとって、シュワは「身内の恥」みたいな位置を占めてるんだな。
私も「東京都の知事は石原慎太郎だそうですね?」と聞かれたら「残念ながら、その通りだ」と答えるな。千葉県民の一部も「千葉県の知事は森田健作だそうですね?」と聞かれたら「残念ながら、その通りだ」と答えるだろうなあ。

 銃の話に戻ると、まあM16にせよM1873にせよ、有名な銃だからこそモデルガンになり、それ以下の子供用おもちゃにもデザインが使われ、ゆえに小学生にも入手できるレベルのものが沢山あったんだろう。
 特にオチもなくおしまい。