昨日は「北越雪譜」を買ったまでは良かったが、その後がだめだった。
夕飯を俺が作る当番だったので、冷凍してあるキノコで炊き込み飯を作る積もりだった。で、ただのキノコ飯ではなく、なにか具を足してみようとスーパーに行ったところ、栗があったのでこれはいいと購入したのだ。

 家に帰りネットで料理の仕方を調べると、「男のこだわり料理」みたいなページで、ただ栗の皮を剥くのではなく、鬼皮をとってから渋皮つきのまま鉄鍋で炒るという方法が紹介されていた。こうすると渋川は焦げて難なくとれ、そのうえ栗の香ばしさも増すという。そこで指示に従って炒ってみたが、渋川の一部はとれるものの多くは残る。もういちど炒っても結果は変わらない。
 しょうがないので包丁で渋川を削ぐ。すると削いだ断面に虫食いが目立つ。変色している部分もあるのでどんどん削いでゆくと、栗の正味の分もどんどん減ってゆく。
 途中、あまりの虫食いの多さに怒り、栗を床に叩きつけて「キー!」とか叫ぶ。

 結局、最初は650gあった栗が300gくらいになってしまった。栗農家の野郎、こんな栗を出荷して恥ずかしくないのか?こんな栗を仕入れたスーパーの担当者の野郎も恥ずかしくないのか?ふざけやがって。俺の妻だったらスーパーに文句を言いに行くぞ。

 と怒っていたら妻から電話が。「定期券を職場に忘れ、財布には電車賃もないのでむかえにこい」とのことである。しょうがないので米と栗と冷凍キノコを炊飯器に入れてスイッチをオン、妻をむかえに行った。

 で、妻も妻で今日は職場で嫌なことがあったという。二人とも怒っているので、厄払いのため居酒屋で酒を飲むことになった。

 帰ってみるとご飯が炊けていた。食ってみるとたしかに香ばしさがあり、うまい栗飯だった。それは良かったが、費やした労力と怒りを考えると全然合わない気分であった。