群馬県の山奥で行われている、小水力発電の事例を見に行く。
08:00に村を出発、上信越道〜関越道経由で現場到着は13:00くらい。
林業家のK氏と奥様と少し話した後、まず水車+発電機のある場所へ。
ただし事前の予測よりも水量(か落差?)が少ないため、うまく発電していないそうだ。
近くの小屋に設置されたパワーコンディショナー。太陽光発電用を流用。
水車+発電機から150m?くらい離れた場所にある堰。ここから75mmのポリエチレンパイプで、水車の上まで水を導いている。
水車+発電機の直上。
「堰はもっと高い場所にあるけど、実質的な落差は、ここから水車までの7〜8mしか無いんじゃないか?」とのこと。
印象に残ったコメントは他に…
「水量には年間で増減がある訳だが、発電に際しては、もっとも低い値から二番目くらいの水量が、確実に利用できるボリュームとして考えた方がいいかも」
「3kwを一基ではなく、1kwを三基の方がひょっとしたらよかったかも」
「君が小水力発電で売電を考えるのであれば、その地域の住民をどうコントロールするのかが、技術面と同等以上に重要。田舎の人間には“慣行の権利に対する支払”をするべきではなく、“軽労働(施設の保守管理等)への対価としての支払”を行う方がよいと思う」
「もし発電+売電がうまく行った場合、あとから権利を主張してくる輩が必ず出てくる。だから、事前の根回しと口約束ではない契約が重要」
…と、マシンガンのようなK氏のトークにうなづくことしきり。
16:30に現場を出て、榛名山に向かう。Kさんありがとう。実際に手作りの発電設備を目にして、自分のプランを現実化する可能性が感じられました。
さて榛名山で泊まり、翌04:00に出発し8:30帰村。
通常業務の合間に、数年前までは発電していたという村内の水力発電施設を見に行く。
小屋の裏手の斜面に、オレンジ色のパイプが走ってます。その左隣には(杉の葉に埋もれてますが)農業用水の鉄管と、それを支持するコンクリート架台があります。はるか上方から続いています。どうやら、もともとあった農業用水に沿ってパイプを設置したらしい。
内部はこんな感じ。水車軸の回転をベルトとシャフトを介して発電機に伝えている。これは回転数を調整するための策であるが、水車軸の振動(多分、手作りなので微妙に偏心しているのかも)もシャフトに伝わるため、全体的に振動が多く、軸受部分のトラブルが多かったと聞く。水車軸と発電機軸の間にはあまり余計な機構を挟まない方がいいのかな。
水車は自転車屋さんの手作り。
青いケース内にクロスフロー型の水車が収まっているんでしょう。しかしこの、モコモコした発泡ウレタンみたいなのは何のために?騒音対策?漏水対策?振動対策?わからん。
現在は稼働していないため、水も流れていないのだが…ここに見えているのは、同じ(であろう)ルートをたどってきた農業用水。なんか、けっこういけそうな気がしてきた。
いちおう、小屋から中電の電柱付近までは木製電柱が設置されている。なぜか?ここで作った電気はかつて足湯に利用
されていたため、その位置まで電線を引っ張る必要があったのだ。
…ここの施設は各種の補助金を受けて作ったものであり、その目的以外に転用するのは難しいだろう。しかし、「ここの立地と水利」に相乗りさせてもらい、導水管や水車+発電機、パワコンなどは自前で用意・設置することは、意外と可能もしれない。なにしろ既存の発電施設は今後、稼働させる予定が無い(補助の縛りで売電目的に転用できないし、足湯をやってた人々も老齢化、やる気なし)んだし。