自宅で「お寿司屋さんごっこ」を行う。

「お寿司屋さんごっこ」とは、要するに寿司を作って食べる、という行為である。
家庭で作る寿司といえば、「手巻き寿司」「ちらし」などが思い浮かぶが、今回は大胆にも「にぎり寿司」。
 にぎり寿司といえば、高度に職人的な技術が必要とされるものなのだが、それを全く経験のない私と妻で作ってみる。

 というわけでスーパーで刺身を買う。出来れば5〜6種類のネタを揃えた方がリアル感が増すのだが、経済的な事情もあって、「まぐろ」「イカ」「イクラ」の3種のみとする。なんというか、この3種があれば「最低限の寿司感」は出る。

 米を炊き、飯台に広げて合わせ酢を混合する。この作業は妻が行い、私はウチワであおぐ。続いて刺身を寿司ネタみたいな感じに切る。マグロのサクは薄い直方体なので、斜めに角度を付けて切断することによって、寿司ネタにふさわしい面積および厚さの切片が得られる筈なのだが、なかなか思い通りに切れない。まあこっちは素人だし、包丁も大して切れ味が良いワケでもないのでしょうがない。
 続いて妻がイカを切断。イカ外套膜部分はマグロのサクよりも薄いので、うまく行かないのではないか?と思っていたが、思いの外キレイな切片がとれた。
 イクラ軍艦巻きに関しては、海苔を4cm×10cmに切っておいた。後に、この10cmが長すぎる事が判明する。

 当初「妻が注文し、それに応じて私が握る」という展開を考えていたが、それだと面倒なので、「全部一通り作ってから喰う」ことにした。

「にぎり寿司の作り方」
・左手にネタを持つ。
・右手で酢飯を適宜取り、軽く整形する。
・酢飯を握ったまま右手の人差し指でワサビを取り、ネタに付ける。
・ネタに酢飯をのせ、ニギニギと整形する。

 書いてしまえばこんなもんなのだが、実際にやってみるとなかなか難しい。特に、酢飯の適切な分量を見極めるのが難しい。多すぎたり少なすぎたり。
 こうした見極め作業を簡略化するためには、市販の「型」を使ったり、もしくは事前に酢飯を分けておくのが良いのだろうが、今回は「お寿司屋さんごっこ」なので、こうした方法は採らない。
 そんなこんなで、大小さまざまなマグロ・イカの寿司が出来上がる。

 次に軍艦巻きなのだが、こちらも酢飯量の見極めが困難。また、海苔が長すぎたため、二重巻きになったりもする。慌てて短く切断するが、今度は短すぎて巻ききれない。
 このようにして出来た台座にイクラを盛るのだが、これも多すぎたり少なすぎたりと、まちまちな結果となった。計画段階では、寿司屋さん風のセリフなども交えながら「ごっこ」をする筈だったのだが、実際に握り始めると、そのような余裕は全く無い。ああだこうだと言いながらせっせと作る。
 てなワケで、3種類の寿司が揃う。一個一個はええかげんな出来なのだが、数が揃うとそれらしく見えてくるのがおもしろい。

 さて、日本茶をいれ、コタツで寿司を食べる。思いのほかおいしい!特にイカがいい感じ。全体的にワサビがききすぎているのだが、これは市販の練りワサビをそのまま使ったからでしょう。ふつう、寿司ネタに塗るワサビはもっと「薄い」調合のようだ。
 軍艦巻きもおいしいのだが、惜しいことに海苔が厚ぼった過ぎた。また、酢飯とイクラの量的バランスが非常に微妙なものであることも分かった。イクラを大量にのせればそれで良いか、というとそうでもないようで、やはり適切な量があるんですな。

 そんなこんなで、いろいろな発見のあった「お寿司屋さんごっこ」でした。