朝、またしても霧の立つ中綱湖を散策。

集落に建つ、解体中の古民家を眺める。根曲がりの材をうまく梁に使っている。

火災現場の調査みたいだ

宿を出て、「おおやけ」に挨拶をして駅に向かう途中で、登校する小学生たちを見かける。簗場は完全に年寄りだけの集落って訳でもないんだな。

駅ちかくから見下ろす簗場の集落は記憶にある昔の姿とあまり変わらない。

上りの大糸線が来るのをホームで待つ。次にこの駅に来るのはいつになるんだか。

さて、信濃大町駅レンタカーを借りた我々は、まず鹿島川流域の「越荒沢堰」に向かった。
市内中心部を離れ、山間に入ると、集落にサルが居る。もう自動車や人間など恐れなくなっているようだ。

「越荒沢堰」は鹿島川の流れを分岐させ、農業用水として利用している。
その取水口施設を「頭首工」と言うのだが、ここの「頭首工」は非常に美しい。コンクリートの構造物なんだけど、「自然と人工物の調和」の象徴はこれだよな、と言いたくなるような感じ。

そういえば以前、取材でここに来た時は、野生のシカが「頭首工」によって生じた穏やかな流水の水を飲みにやってきていた。

下流部の親水路で、なんか生き物がいるかな?とウロウロした。
なかなか見つからないので、流れの中の石をひっくり返してみたら、ヒルのような生物がいくつか張り付いていた。
なにかな?と考えていたら(考えたところで分からないんだけど)、足首に何か冷たいモノが登ってきた。「うひー!なんだ!」と驚いてズボンの上から押さえ、慌てて裾から引きずり出したら、それはニホンアカガエルでした。(ヤマアカ?)

ちょっと驚いたが、生物を探してる時にいきなり生物が来てくれたので、なんか嬉しい。
付近には、その子どもたちもたくさんいました。

荒沢堰から更に下流部では、水路が立体交差してる箇所がいくつもあります。


さてと、その後は山岳博物館に向かった。

子どもの頃、展示物の「つぶれたヘルメット」を、「へるめたつぶれっと」と言い換えて面白がっていたことを思い出し、また「カモシカの糞」が皿に盛って展示してあったことも思いだし、それらが見られるのかな?と思ったのだが、残念ながら本日は休館日であった。

ただ、付属する飼育園は見学できた。
カモシカハクビシン、キツネ、チョウゲンボウなどなど。小雨の飼育園は非常〜に閑散としており、動物たちもなんか気怠そうだ。

チョウゲンボウが餌のひよこを食っている

続いて「塩の道博物館」へ。以前と変化ない感じ。しかしどうしてこういう資料館には必ずといっていいほど足踏脱穀機と唐箕(とうみ)が置いてあるんでしょうか。


さて、こうして市内観光を終えた我々は、一路、大町ダムの更に奥にある高瀬渓谷に向かう。
大町温泉郷の脇を通り、エネルギー博物館とかテプコ館といった電力関係の資料館を横目に高度を上げて行きます。

高瀬渓谷の宿のロビーには大量の剥製が。なんというか昔風の自然観?

温泉宿ということで、このような立派な露天風呂があります。

早速風呂に浸かったり、その後ボンヤリしていたりする。さすがに風呂は素晴らしい。

ところで簗場の宿の食事があまりに酷かったので、我々は覚悟を決めて、その倍以上の値段のするこの宿を選んだ。この値段であれば、まともな食事が出ると我々は思いこんでいた。が、それは本当に思いこみだった。なにしろ夕食開始時間のはるか以前に食堂を覗いたら、すでに大半の料理が並んでる状態だしなあ。

ニジマスの塩焼きはまたしても泥臭い。天ぷらには何故か朝鮮人参が。そしてキノコのお吸い物は、塩漬けしたキノコをそのまま入れたんじゃないか?と思うほど塩辛い。私は塩辛い味付けが好きで、それを妻に注意されるくらいなんだけど、そんな私でも、「これは塩辛すぎて飲めない〜」と思うほどだ。更に、馬刺はきちんと切れておらず、一切れを箸でつまむと二〜三切れがブラ〜ンと付いてくる有様。

ついでに書くと、部屋の壁はシミだらけであった。もう(悪い意味で)何が何だか分からない。
その後、再び風呂に入ったりして寝る。風呂だけはホントに良いんです。